【緊急寄稿】青山ブックセンターのブックオフ支援について
皆さんすでにご承知の通り、日本洋書販売が自己破産した関係で、青山ブックセンターを運営する洋版ブックサービスが民事再生法を申請することになりました。
まあ、これだけなら特に問題ないのですが、ここでなんと、ブックオフが支援に乗り出すと言ってきたのです。
ブックオフが新刊を扱うことの問題点は、以前取り上げましたが、方々でもいろいろと話題になっているので、ここでいくつくか紹介します。いろいろな立場の人がいて面白いですね。
まずは、どういう状況なのか、端的に説明している「新文化」のコラムから。
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リサイクルブックのリアル店舗約900店をもつブックオフが、青山BCと流水書房を事実上運営することになれば、どういうことになるのか。この2書店の帳合は大阪屋(青山BCの一部は日販が取引)。大阪屋は現時点で取引・流通を続け、今後も継続するとみられる。2書店が新古書を扱うことになっても、大阪屋は新刊・注文分を発送するのか。2店の屋号がブックオフになっても取次会社は流通するのか。ブックオフ900店に新刊・洋書・新古本が並ぶのか。ブックオフオンラインと太洋社の取引にどんな影響があるのか。
とても分かりやすい説明です。結論は出していませんが、これは出版社側がもつ危惧であり、もっとも出版社よりの意見でしょう。
一方、新刊書店よりの意見もあり、こちらはどちらかというと歓迎ムードの意見です。
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1つ目は佐藤社長が公言している通りで、ブックオフのノウハウにこれまで無視してきたマーチャンダイズという考え方を導入したいというものである。(中略)
2つ目は、ブックオフ側からの出版業界とのコネクションを強化したい、つまり出版社と仲良くなりたいという意図だ。(中略)
いずれにせよ、ABCをブックオフが支援するからといって、新刊と中古本がぐちゃぐちゃになるとか返品が混じるみたいなことは、起こりえないだろう。考えるべきは、そうしたセコイ話ではなく、顧客目線で今回の倒産をどう未来に生かしていくか、ということだ。日本の出版業界は、はっきりと衰退期に入っていると私は認識している。なかなか体質が改善されない古い業界であるが、さすがにこの事件はカンフル剤になりうるのではないか。
これは書店側からの意見の中でも、もっとも注目を浴びているようです。最後の文章は私の意見と真っ向から対立していますね。
本屋さんからの立場としては、現在の出版業界の衰退は、出版社側や取り次ぎ側の及び腰的なところに一因があって、その状況にやきもきしている、というのが本音なのでしょう。
そのご意見、ごもっともなのですが、ただ、
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105円棚でも動かなくなってしまった「五体不満足」やシドニィ・シェルダンは、今のブックオフは結局廃棄するしかない現状なのだが、MD提案力を身につければ、そうした在庫を何とかできると考えているのだ。
という部分、表向きはそうでしょうが、よく考えれば、MD提案ではなく、「中古本を新刊流通で戻す」のがこの方が言う方法が、在庫を何とかできる最も手っ取り早い方法ではないでしょうか。
この方は、「新刊と中古本がぐちゃぐちゃになるとか返品が混じるみたいなことはない」といっておりますが、はっきり言って、取り次ぎ側の管理はずさんです。こちらで数があわないと言っても、相手は取り次ぎなので、泣き寝入りせざるを得ないというのが実情です。
事実、書店流通ではない別ルートの書籍(バンドル版とか)が書籍流通ルートで返品されていることもしばしばです。
ですので、決して「セコイ話」ではないし、「あり得ない話」でもないと思います。
さらに、今度は古書店側の意見もあります。
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海難記で仲俣氏が「それらがブックオフの店舗とどのような関係になるのか、はたして新古書と新刊のハイブリッド書店のようなものが生まれるのか(可能性は限りなく低いだろうが)、予断を許さない。」と書いている。私はブックオフはそれを目指していると思うし、その可能性をおそらく仲俣氏より高めに見積もっているに違いないけれども、現状では可能性が低いという点には全く同意する。
新刊書店側から見た要因や出版する側から見た要因は私にはよくわからない。新古書店側から見ると二つ、要因が挙げられる。
ひとつが取次の頑迷さ。もうひとつが人材育成の困難さである。
新刊の側から見た新古書店へのネガティブなイメージは非常に根強い。(中略)
出版社が倒産したとする。というか、実際倒産している。倒産した出版社の在庫が余る。(中略)
うちの会社は新刊書店以外にも新古書店の店舗を持っている(というか、そっちの方がすっと数は多い)。なんとかそちらでも販売し数を減らすことはできないだろうか?(中略)
何度打診しても、取次は首を横に振り続ける。そこには合理的な理由など存在しない。
新古書店が門前払いを食らい続けている間に、新刊書店の側からの古書へのアプローチが増加し、話題になり始めている。(中略)
正直、腹立たしいことこの上ない。出版業界には様々な複雑怪奇なルール・慣習があるが、フェアでないことに慣れ切ってしまっているのだろうか?
これはどちらかといえば、中立的な立場でしょうか。実際の古書店側の意見なので、いちばん的を得ているのかもしれません。
しかし、これらの新刊書店、古書店側の意見に共通して見られる立場は、「ブックオフは優良な会社である」という視点で書かれていると言うこと。
ただ申し訳ないのですが、ブックオフがとても優良な企業だとは思えません。
したがって、「青山ブックセンターのブックオフ支援に反対」の立場は崩しません。
あともうひとつ面白いのは、出版社側、新刊書店側、古書店側で共通している意見は、「取り次ぎが出版業界をダメにしている」ということ。
どの世界にも嫌われ者はいるんですねー。:hammer:
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